素子の機能設計とパターン設計
お客様の要望を満たす、素子の機能と構造を設計する作業。 素子のパターンを設計し、ガラス基板上に転写してフォトマスクを製作する。
化合物半導体は、ガリウム砒素、インジウムリン、ガリウムリン、サファイヤ、シリコンカーバイドなどの基板上にデバイス機能を作るための薄膜(エピタキシャル層)を形成させて作られます。基板は、厚さが0.25mmから1.0mm、直径が2インチ(50mm)~4インチ(100mm)程度で、その上に成長するエピタキシャル層の厚みは0.05mmから0.2mm程度です。形は円盤状を成しこれをウエハと呼びます。
前もってウエハを準備し、そのウエハを沢山の工程で順次処理して、光半導体デバイスを造ります。
一般に、光半導体の製造工程は、「前工程」と「後工程」の二つに分けられます。
前工程ではウエハ状態のままで処理され、後工程では個々のチップに分割されます。最後に選別された全てのチップがパッケージに組み込まれます。各処理段階をモニターするテストの工程では、手順書に従ってサンプリングや全数検査を実施し、工程や品質の管理を行い、最終的には品質の保証を行います。
「前工程」では、シリコンや化合物半導体ウエハが以下のような順序で各工程を流れ、基板の上に直接、発光素子や受光素子が形成されます。
お客様の要望を満たす、素子の機能と構造を設計する作業。 素子のパターンを設計し、ガラス基板上に転写してフォトマスクを製作する。
成膜
酸化膜、窒化膜などの絶縁性薄膜をウエハの上に形成する工程
写真食刻
フォトレジスト塗布、フォトマスクによるパターンの転写、露光、現像などからなる工程
エッチング
ウエハに塗布したフォトレジストに紫外線を照射した後で、マスクで覆った箇所又はマスクで覆われていない箇所の絶縁性薄膜や半導体材料などを取り除く工程
不純物拡散
極めて高純度な半導体ウエハに、ある不純物の導入により電気特性を変え、その界面にP/N接合を形成する工程
等の工程をプロセスフローチャートに従って繰返し行い素子を形成する。
オーミックな電極を形成する作業。極性が(+)と(-)の両極性を有する光半導体では、アノードが(+)電極であり、カソードが(-)電極である。転写してフォトマスクを製作する。
電気的性能をプローバーと呼ばれる一台の試験装置で検査する。この工程はプローブテスト又はウエハのソーティングとも呼ばれる。ウエハ上で連結している個別の素子の全てについて、機能の不完全さが調べられ要求された仕様が満たされている場合に、良品と判別される。
「後工程」は、ウエハマウンティング、ダイボンディング、ワイヤボンディング、パッケージングの4工程からなっています。
ウエハをバラバラに切断する前に、粘着性のあるプラスチックテープにウエハをマウントし、それをリングに張付ける作業。
数千個の素子を有するウエハを小片に切断する作業。各々をダイという。
ダイをパッケージ又は支持体に載せてAgペーストなどで固定する作業。ダイアタッチメントとも言う。
ダイと外部となるパッケージ又は支持体を接続する作業。熱、圧力、超音波エネルギーの組み合わせを駆使してこれら各々の側にワイヤを溶接する。
ダイの配置、エポキシペーストの状態、配線の具合などを目視で検査する作業。
ダイをシリコーンやエポキシなどのプラスチックで封止して物理的な損傷又は化学的な腐食を避ける作業。「封止」という言葉は、パッケージングと同じ意味で使われることがある。
後工程の完結後に、光半導体デバイスを各種の電気特性の試験に掛け、正しく機能しているか判定する作業。性能が合格と判定されたデバイスの割合を歩留まりと称する。
恵庭事業所
上砂川事業所
株式会社 京都セミコンダクターは、前工程から後工程まで一貫して光半導体の製造を行っている光半導体デバイスの専業メーカーです。
前工程は、すべて北海道恵庭市の恵庭事業所で開発段階から行われています。
後工程は、継続して量産段階も恵庭事業所で行われていますが、その一部は量産専門工場である北海道空知郡上砂川町の上砂川事業所に移管され、更なるコストダウンや量産化が行われます。